青柳祐美子日記

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さるさる日記
■2001/09/30 (日) 理想の雨

 午後から降り始めた雨が夜になって本格的になってきた。雨の日のネコは眠いというが本当にそうで、うちの子供たちもさっきからずっと寝ている。それを見ているとこっちまで眠くなるが、洗濯に掃除にもちろん仕事に、することが山積みなのでそうしてもいられない。雨の日が大好きだ。特に外にでて濡れなくてもいい時は。。。。私の理想の雨の日の過ごし方は、ベッドに一日中いて、昔読んだ本をもう一度時間をかけて読み直すこと。ハチミツ入りのホットミルクとあまり甘くないビスケット。少しだけ窓を開けて雨の音を聞く。近くの公園から金木犀の匂いが流れ込んできた。小学生の頃、通学路に大きな家があって金木犀が何本も植わっていたっけ。まだ香水も知らなかった私は夢中になって小さなガラス瓶に、道に落ちたオレンジ色の小花を拾っていれて、枕もとにおいて寝ていた。いつの頃からか、香水が大好きになり、新しいものが出るたびに、そろえるのを趣味にし、誕生日やクリスマスにねだっていた。今はもう、香水もつけない。香水って、オトコの人は特にそうだと聞くけれど、つけている側も、その時々につきあっていた恋人のことを思い出してしまうものじゃない? その頃買った香水(消費期限は過ぎている?)はトイレの中にまとめて置かれ、芳香剤代わりに使っている。もし、金木犀の香水があったらまた香水をつけたいな、と思った。

■2001/09/29 (土) 2ケツ

 今日、友達のバイクに乗せてもらった。打ち合わせに遅れそうだったので渋谷まで送ってもらったのだ。二人乗りのことを2ケツというらしい。そういえば、業界用語で打ち合わせなどで時間制限があることを、「ケツがある」「五時がケツなんですよ」「五時でケツカッチン」と言う。よく考えてみれば下品な言葉だなぁ。。。とにかく、そんな感じで打ち合わせに行った。最初はなんだか怖かったが、そのうちすっごい楽しくて、うっほ〜い! となっていた。風が冷たかったんだけど、それがまた気分を盛り上げたくれた。見慣れた景色が違って見えるし、渋滞に巻き込まれる車たちを横目に走り抜けるのはなんだか透明人間になった感じ。夕方だったせいか風の色がオレンジでちょっと切なくもなった。ね、楽しいときっていつも風が吹いてない? ホントにあのまま海にでも行っちゃいたかったなぁ。。。海に沈む夕日って、その瞬間、ジュって音がしそうじゃない? 太陽が消えちゃった後の、日の名残も好き。その話を帰ってクリスにしたら、しみじみ、あんたも歳とったのねぇ・・・・と言われてしまった。そうだよね、バイクの2ケツって青春の象徴だよね。最後にバイクの後ろに乗ったのは高校生の時。十年以上も前だ。あの時、授業さぼって江ノ島まで乗せていってくれて彼はどうしてるのかな? 子供ができたって聞いたけど、いいお父さんになった今もたまにはバイクに乗っているのかな?

■2001/09/28 (金) タダ乗り

 今日、買い物先の中目黒からタクシーに乗り、急用があったので横浜へ向かっていた。日中は暖かかったが、急に寒くなってきたのでジャケットを取ってから行こうと思い、駒沢通り近くの自宅マンションの前で待ってもらうことにした。五分くらいで戻ってきますと言って中に入り、必要なものを探して玄関で靴を履いていたら電話が鳴った。いいや、と出ようとしたら、応答した留守電からプロデユーサーの声が聞こえた。メールで送ったはずの原稿が届いてない!?と言う。慌てて電話をとって、再度原稿を送ろうとコンピューターを立ち上げた。そして初めて気がついたのだが、今日は夜中までサーバーがダウンしている。慌てて原稿を印刷してファックスを送って時間を見たら、十五分が経過していた。やばい! と玄関を飛び出したのだが、タクシーがいない。。。。ウチの前は車を長い間止めておけないので、ちょっと離れたところに止めてるのかな? と思い、アチコチ見てみただが、やっぱりいない。。。。犬を散歩しているおじいちゃんに聞いても知らないと言われた。タダ乗りされたと思われてしまったのか? 慌てて乗ったのでタクシー会社も覚えていないし、どうしようもできなくて、別のタクシーを掴まえたがすっごく後味が悪かった。ウチは商売をしているので、お金のことはしっかりするように躾られてきたので、今までキセルもしたことなかったのに。
 もし、そのタクシーの運転手さんがこれを読んでいたらぜひ、ご連絡を! 確か、、そこまでの料金は2000円くらいだったと思うんだけど。。。。

■2001/09/27 (木) PARIS SPAIN

 ケリーがパリから帰ってきた。ケリーとはスペインで出会った。私は研究していたドン キホーテのために必要なスペイン語をマスターしに夏休みを利用して留学をしていた時だった。この研究が終わったら、私は家の事情で日本に帰ることになっていた。たまたま受け付けで上智大学に編入することを言ったら、そのスペイン語学校に日本人が上智大学から来ていると教えられてケリーと会ったのだ。他に日本人がいないのもあって、二人は意気投合し、日曜日などには近くの村まで小旅行にもでかけた。そして夏が終わり、日本で会うことを約束して別れたんだけど、大学で会ったケリーは、スペインの時とは全く別人だった。ケリーにはいつも一緒にいる友達がたくさんいて、二人で昼ご飯を食べることもなかった。ケリーの友達はみな、帰国子女の日本人で、ある特殊なエリート意識/コンプレックスを持った人たちだったので私は近づかないようにしていた。スーパフィッシャル(表面的)だったのよね、一口で言えば。私の知ってるケリーはそういう人たちとは違ったから、正直びっくりしたけど、ま、ケリーがよければいいけどって感じだった。会ったのは卒業以来だったんだけど、学生時代の友達とはもう連絡もとっていないと言っていた。そう、ケリーは優しいから回りにあわせちゃうところがあったのだ。今、彼女は旦那さんの留学につきあってパリに住んでいる。久しぶりに会った彼女は自分の人生を初めて生きていると微笑んだ。それはスペインで見たその笑顔でなんだかほっとした。私もそうなんだけど、外国に住んでいる時の方が、いろいろなモノを気にしなくていいし、縛られていない分、本来の自分になれることが多い。
 だからみんな旅に出るのかな?

■2001/09/26 (水) お仕事

 今日は一日中原稿を書き、夜に来年の連ドラの打ち合わせに行った。いろいろ父のことなどあり、しばらく連ドラのお仕事を休んでいたので、打ち合わせはことさら楽しい。作家は孤独な作業だし、現場は監督さん、以下スタッフと俳優陣の輪が既にできているので、なかなか入りずらいものがあるので、本打ち(脚本の打ち合わせ)が唯一の現実的な共同作業の場である。
 基本的にはまず、雑談から始まり(家や友達、彼氏のことなど)、なんとなく自然の流れで本題に入る。例えば今日はハコ打ち(セリフが入る前のシーン追いの構成打ち合わせ)。まずその話のテーマやゴール(主人公の成長)を話してから、いざとばかりに、ホワイトボードの前に立つ。そして、とっとと話ながらシーン運びを書いていくのだけど、途中で、プロデユーサーが質問をしたり要望を出す。「もっと別の話題で」とか「前半もっと前倒ししよう(後半の話題を先送り)」とか。それで一通り書くと、家に持って帰って、細かいところを一人で考えながら書いていく。それを見せて、オッケーなら、そのままセリフに起こす作業になり、ちょっと違うかなという時は、また打ち合わせをさせてもらう。ハコを書いているときはだいたいセリフがもう浮かんでいるので、実際、脚本の形にするときは一気に書いてしまう。そうして出来た本(第一稿)を持ってまた打ち合わせ。細かいところなどをプロデユーサーと話す。と、いう感じで、二回、三回と直し、印刷所に入れる。最初に刷るのは準備稿という白表紙のもので、その後、監督を交えて打ち合わせをしてから決定稿というものができ、スタッフなどに回る。そんなのを、十一回分繰り返し、一本の連ドラができる。はぁ〜、疲れた。。。。

■2001/09/25 (火) 前世

わたしはあるとき、椎名林檎にはまっていて、今度生まれてくるときには椎名林檎のような歌手になりたいと思っていた時があった(いい年こいて)。ドラマの打ち上げ二次会のカラオケなどで、歌い終わっても誰からもなんのコメントももらえない(なかったことにしようってわけ?)くらいのオンチなので、かねがね歌の上手い人が羨ましかった。
 この頃、友達のテリーが前世占いに凝っていて、わたしにも行け行けとうるさかったので半信半疑で行ってみた。わたしが選んだのは前世催眠。
 まずリクライニングチェアに横になり、ブランケットをかけられ、催眠導入をされる。(テレビで見るようなアレ。はぁい、まぶたが重くなります・・・・みたいな)、そうすると本当に金縛りにあったみたいになって、導かれるままに前世を語りだした。意識はあるので、自分で言っていることを聞いていて「なに言っちゃってるの? あたしったら」みたいなことも感じる。本当に不思議な体験だった。
で、わたしが語った前世というのが、いくつかあるのだけど、チェコスロバキアでで、鹿だけが友達という少女。両親はわたしが耳の聞こえないのを知らなくて「心を開かない」と言ってよく怒る。ま、いろいろあって、最後は森の中で後ろから狙撃兵に打たれて死んじゃうんだけど、耳が聞こえなかったから自分が打たれた音も聞こえないのね。で、魂は鹿に乗って湖にかけていくというオチ。他にも、イタリアのオペラ歌手で富と才能があったために不幸になる女の人とかだった(前世はたくさんある)。わたしは二度と歌など歌いたくないと誓ったそうだ。う〜ん、こんなところでわたしがオンチの理由をみつけてしまった。。。
 ところで、友人テリーの前世はなんと江戸時代の相撲取りだと言っていたので大笑い。だって、テリーは175センチ 110キロ。みるからにお相撲さんといった体格をしているんだもん。
テリーが行ったのは透視能力のあるサイキックだったんだけど、それって、透視でもなんでもない。そのまんまじゃん! 

■2001/09/24 (月) 公園風景

 男にとって一番大切なのは包容力だと最近つくづく思う。昨今は優しい男が増えているという説もあるけれど、優しいのと親切なのは絶対に違う。その違いは包容力にある。優しさは、つまり、それだと思うから。包容力のない優しさはただの自己満足か親切。そして、それを一番実感できるのは、自分が一番辛いときに、逃げないで一緒にいてくれるかだ。
 今日、公園に行ってブランコに乗っていた。突然、後ろで大きな泣き声がしたので振り返ると、女の子が足をすりむいて泣いていた。隣で、お兄ちゃんらしい男の子が一生懸命なぐさめようとしていた。自分のひざこぞうからも血がでていたのに。お兄ちゃんは何度も「安心してね」と妹の頭を撫でながら繰り返していてびっくりした。「安心して」なんて、どうみたって小学二年生以上には見えない男の子の口から出るなんて。しばらくすると、自転車に乗ったお父さんらしき人が来た。お兄ちゃんは、妹を抱きかかえて荷台に載せようとしたが、自転車の高さに届かない。お父さんがひょいと妹を抱きかかえ、前の座席に載せた。お父さんは自転車をひいて歩き、お兄ちゃんはまだ泣きつづける妹の手を握って歩いていた。お父さんはなにがあったのかも聞かず、口笛を吹き、公園の下の道路についたときに、お兄ちゃんに荷台に乗るように言った。お兄ちゃんは妹の頭をもう一度なで、後ろに乗った。
 私はこの家族の光景に、そして、お兄ちゃんに惚れた。この小学生、絶対いいオトコになるに違いない。「安心していいよ」なんて、そういえば私は最近言われてないなぁ。。。

■2001/09/23 (日) 寝顔

 友達のアニーシャと寝顔の話で盛り上がっていた。彼女は最近できたばかりの彼の寝顔がどうもダメらしい。いくら楽しい夜を過ごしても、朝起きると、「あっちゃ〜、あたしったらなんてことしたのかしら?」と、オーマイガッド状態になるらしい。タイプの顔や体型というのは確かにあるが、寝顔がイマイチだからといって真剣に別れようかどうか悩むのもどうかと思うが・・・・と思った時、以前、二人の男の子の間で自分自身迷ったことを思い出した。一人は性格も合わないし、もうやることなすことイチイチ気に障るんだけど、寝顔が大好きだった。普段はお互い意地張って、くだらないことでケンカになるんだけど、彼が寝ている姿を見ると、愛しくなった。汗をうっすらかいている額の髪を撫でつけたり、キスをしたり、ぐっすり寝ていて聞いていないのに(聞いていないから?)「愛してる」と素直に言えた。もう一人の彼は(要するにこのときはだぶっていたのだけど)、一緒にいると楽しくて幸せで仕方なかったんだけど、やっぱり前の彼より好きになれなかったのは寝顔だったような気がする。精神的感情的には深く繋がっていたのだけど、寝顔が好きってやっぱり本能的な部分で、このケンカばっかの彼を好きだったのかしら。
 以前、寝顔が大好きだった彼に聞いたことがあった。「私の寝顔ってどんなん?」彼は答えた。「う〜んとね、ミイラ」 ミィラ〜!? 甘い言葉を期待していた私は、あまりに予想外の答えに思わず吹き出してしまった。そして怒った。
「なんでミイラなのよ!?」 寝ている時、いつも口を開けてるし、私は色が黒くて、顔が小さいからだそうだが、彼はケンカを避けたかったのか、慌てて、「でもさ、ミィラって高貴な人しかなれないんだよ」と、フォローしてくれたが、全然嬉しくなかった。でも、そんな私を彼は一生懸命愛してくれていたんだよなぁ、と、今、これを書いていて思った

■2001/09/22 (土) 携帯電話

 この間、彼と大喧嘩をして、その腹いせに側にあった携帯電話を投げて派手に壊してしまった(彼にじゃないよ。壁に向かってね)。電源は入るのにどのボタンを押してもなにも動かない。しばらくして電話帳が動くようになったら、今度は着信履歴が読めないなど、気まぐれに動くようになった。かかってきた電話はどうやら受けれるみたいだし、めんどくさがりなのでそのまま使っていた。某サイトでは私は、別々の男たちに買ってもらった五台の携帯電話を駆使していることになっているらしいが、実のところ、この一台(男も一人だけど)しか持っていないので、さすがに、支障がでていることに気がつき、三日後に買い換えることにした。
 久しぶりにNTTショップに行くとすっごい列。。三十分待たされ、やっと換えたんだけど、二年ぶりに機種を見たらすっごい変わってて驚いた。一番シンプルそうなのにしたのだけど、全く分からない。マニュアルを読んでそのとおりにやってもちゃんとできない。う〜ん、ま、私は録画予約も出来ない人なので、予想はしていたが、全くチンプンカンプン。結局同じ機種を持っている人(友達の友達の弟の彼女!)に教えてもらった。なんでこんなに複雑にしているのだろう? いろいろな機種がついていて、ゲームもできるし、自分で着信音の作曲までできちゃうらしく、便利! を謳っているが、私みたいな機械オンチには不便極まりない。そういえば、電車のチケットもそうだよね。あ、あと、宅急便の不在票に書かれている電話自動再発送。『便利』になっているものって、ホント生活のあちこちにある。でもさ、便利って、誰にとって便利なんだろうね? ちなみに今、なぜか着信音が鳴らずに困っています。。。。 

■2001/09/21 (金) 病欠。。。

 熱が下がらず今日は全ての仕事をキャンセル。ゆっくり寝ていました。急激に寒くなりましたね。。。でも、雨はちょっと嬉しい。特にどこにもいかなくていい日は。ベッドの中で急に子供になったような気分になっていました。ハチミツ入りのホットミルクをベッドまで運んできてくれる母はいないけど。
 雨の音って落ち着く。最近、七年間乗っていたオペルのビータをジープに買い換えた。車高も高くて、ミニスカートをはいているときなどは、乗り降りにすごく気を使うし、窓も鍵もマニュアルだし、燃費は悪いし、立体駐車場には止められないしと、不便なとこばっかりなんだけど、車体にベタベタとステッカーを貼って、カスタマイズできるところと、ジープに乗っていると、外の状態がすごく分かるところが気に入ってる。特に、風や雨の音。オペルの時は高速を走っていて、自分が何キロで走っているのか分からなくなる時があったんだけど、ジープは、時速50KMの時と80KMの時とでは風の音が違う。雨の音もすごくリアルで、自然と一体になっている感じに惚れています。車は足代わり、自転車(ママチャリが一番)と同じだと思っていたので、全然興味がなく、「アオヤギ、ジミな車乗ってるなぁ」と言われ続けても、平気で「小さくて便利だから」と、乗っていた。でも、ジープにしてからは本当に運転が「便利」でなくて「楽しい」。オペルを壊れるまで乗ってやると思っていたんだけど、何度も交通事故に遭うので(いつも後ろから追突される)、父がまだ意識があるときにお願いされたのね。「頼むから大きい車に乗りなさい」って。で、ジープを買ったんだけど、父は苦笑い。だって、安全性を考えて大きな車って言ったわけで、きっとボルボとかって思っていたんだよね。でも、大きければいいでしょってジープにしたから。。。病院の玄関まで、点滴のカートをコロコロ転がして見に来てくれたのが嬉しかった。ホントは座席に乗ってみたかったみたいだけど、点滴のコードが短かったから、「うんうん」って眺めているだけだった。
 窓の外から雨に打たれるジープを見ながら、そんなことを思い出していた。


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