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「ブエノスアイレス・摂氏零度」を観る。
この作品はウォン・カーウァイ監督作品「ブエノスアイレス」の未使用フィルムと制作ドキュメンタリーを繋ぎ合わせた作品。噂には聞いていたけれども、ウォン監督の撮影方法を見せられると、驚く。何しろ現地入りしているのに、ストーリーさえ決まっていないんだよ!
その間、主演であるトニー・レオンやスタッフはほって置かれて、挙げ句の果てにもう1人の主演であるレスリー・チャンは本国でのコンサートのために帰国してしまう! どうする、ウォン・カーウァイ監督! と思ったら、チャン・チェンが呼ばれて、ストーリーが展開するという。だから、途中から出てくるのか!
自殺してしまってこの世にはもういないレスリーの姿が映ると泣けてくる。レスリーが活きてたら、「2046」にキムタクとか出さないで済んだかもしれないのに。
さらには、本編には全く出てこなかった女優とチャン・チェンの物語まであって。俳優達もよく監督に付き合うなと感心する。でも、結果的には素晴らしい作品が残せているのだから、監督の勝ちなんだろう。それに、そうじゃないと俳優やスタッフも付いてこないだろう。
それにしても、効率とスピード最優先の香港映画界において異彩を放ちまくっているというかほとんどあり得ない存在と言っていいね。
夜、ガンエヴォのゲラをファックスで戻す。再校なので7枚ほどしかない。まあ、それでも7枚はあるわけだが。
その後、クスリを誤飲してしまい、ひどくむせる。なんか、もう飲むクスリが多すぎるのだ。ホントに死ぬかと思うくらい咳が出て、水も吐きまくった。1人で孤独死を迎えるとしたら、きっとこういう状態なんだろうと思った。
一気に体調がおかしくなり、ベッドに寝たきりになる。こんな簡単なことで、あっという間に体調がおかしくなってしまうのだ。
朝11時に小説の修正を戻す。
サ母、来日。ほとんど寝ないで作業をしていたために、サ母が掃除をしてくれている間はベッドに横になっている。
芋子汁とおにぎりを作ってくれるも、食欲があまりなく食べることができない。でも、部屋はとてもキレイになる。文字通り、チリひとつ落ちていない状態になるからね。
とてもありがたい。
夕方から、DVDで「キューティ・ハニー」を観る。庵野監督だけにアクションシーンの編集、シーケンスは最高。オタク魂が炸裂していて、純粋に楽しめる。でも、主演のサトエリを観ているのが辛い感じ。何も彼女の美貌に不満があるわけではない。主演は彼女以外あり得なかったとは思う。
でも、彼女のアフォアフォ演技を見続けるのが苦痛というか。それがなかったら、相当楽しめると思う。最終的には女同士の安っぽい友情物語に持って行かれて、不覚にも泣いてしまったけれども(恥)。
年のせいか、病気のせいか分からないけれども、涙腺は緩みまくっている。簡単なことですぐ泣いてしまう。別に映画に限らず、友人から友情を感じたりしたときも、泣いてしまうようになった。しかも、あんまり泣くことに対して「恥」とも思わなくなってしまったというか、抵抗が無くなってしまった部分もある。
「キューティ・ハニー」を見て泣かなかったことによって、強い自分が証明できるなら、泣かない意味もあろうものだが、そんなの誰も観てないし証明してくれないからね(笑)泣いたり怒ったりする感情が自分の中にまだ残っていて、それがどんな些細なきっかけであれ掘り起こされ、刺激されるのが心地よいというか。
精子一滴も出ないほど枯れきっているはずなのに、「ああ、まだ涙は出るのか」という感興。それほど、大げさなものかどうかは分からないけれども、別に泣くのも悪くないやというのが最近の傾向。
3日前に注文した本が届く。
京都の古本屋の注文した「吉川英治版三國志」全八巻がもう届いてしまった。しかも料金後払いで、郵便振替用紙が同封されてくる。この店では3000円以内だとこのように、料金後払いのシステムになっているようなのだが、何とも素晴らしい。
だって、今の世の中って「人を見たら泥棒と思え」っていう感じじゃない? 100円ショップにだって、物々しい警備員が常駐しているような(実際にしているかは知らないけれども)。
そういう世の中において、「先に商品送っちゃうから、後から金を送れ」という精神。余裕。こういうお店は3000円とかを踏み倒して喜ぶせこい客は最初から相手にしていないと思うし、だからこそこういう対応なのだとは思う。それにしても、一度も取引をしたこともない客なのだ。何回か購入しているお客さんなら分かるけれども、ネット通販とか一見さんも多いと思う。
でも、実際に古本の愛好家っていうのは凄いらしくて。目録を見ただけで何十、何百万という買い物をするらしい。もちろん、買うだけでなく売ったりもしているのだが。だから、オレみたいな3000円にも満たない客なんて、見捨ててもどうでもいいのかもしれない(笑)
どちらにしても、お客を信頼しようという「お客性善説」がこの店から感じることができて、とても気持ちよく買い物がすることができた。機会があったら、またこのお店から買いたいと思う。まあ、こっちとしてはネットで安いところを探して、機械的に買っているだけだったりもするのだが。
夜は凄い大雪。ガンエヴォのゲラが届く。でも、小説のまだ直しが終わっていない!
DVDレンタルDISCASの第二弾が早くも届く。
前のヤツを返しただけなのに、次のヤツが届くなんて、なんて便利なんだろう。ちなみに作品は「ブエノスアイレス 摂氏零度」と「キューティ・ハニー」。
夜、牧野出版のYさんから「ガンエヴォ」の著者近影の撮影をしてくれた大森さんが、なんと撮影経費とギャランティを辞退しているという話聞く。大森さんは現在、ファッション系で活躍しているカメラマンで、6年前にモノ・マガジンにいたときにウォークマンの撮影をお願いしたことがあった。
その時の撮影スタイルがとてもカッコ良く、しかも上がりも最高だったのでいつか機会があったらまたお願いしようと考えていたのだ。だが、オレの仕事は基本的にファッション系ではなかったし、ライターの方がメインだったのでカメラマンを立てる案件があまりなく、ここまで来てしまったのだ。
自分の撮影を頼むという難しいセレクションにおいて、誰に撮ってもらいたいか考えたところ、大森さんの名前が出てきたのであった。
つまり、一度しか仕事をしていないし、それ以来6年ぐらい会っていないのだ。それなのに忙しい中、シロウトの撮影に時間を割いてくれた上に、素晴らしい作品を仕上げてくれ、その上ギャラまで辞退するとは!
オレは電話でその話を聞きながら、思わず泣いてしまった。
金額の問題ではないのは分かっているのだけれども、ギャラ以外にも感材費、スタジオ代、アシスタント代とまる一日という時間がかかっているのである。
やはり、このままではあまりにも申し訳が立たない。仕事でお願いしたのでギャラも払いたいのももちろん、せめて経費だけでも受け取ってもらわないと。その旨を編集者に伝える。
でも、大森さんは受け取らないと思う。漢の世界である。彼の気持ちに報いるために自分に何ができるのだろうかと考えてみる。
本日は病院の日。
先週受けたCTの結果、腫瘍が大きくなっているのが確認される。クスリが効いていないということだ。この日は医者からイヤな話ばかり聞かされる。別に意地悪をされているわけではなく、純粋にオレの病状が良くないということなのだ。
実際に病状が良くないのも辛いことなのだが、先生がまた辛そうな表情で話すので辛さ倍増というか。全く無表情で話されても辛いのだろうけれども、いかにも辛そうな感じで先生に話されるも辛いモノがある。
全くこんなこと書いて、患者もワガママだと思うよ(笑)でも、現実的な話をすれば、普通に対応して欲しいというか、あまり感情移入されるような表情も困る。別に「ウザイ」「暑苦しい」とかではなくて、冷静に判断できなくなっていたら困るからである。あんまり感情を表に出しちゃう先生は「この先生って冷静な判断できないのかも」と患者は不安になっちゃうわけですよ。
やはり、医師に求めているのは「心の救い」というよりかは、もっと論理的で理知的な治療の話だ。オレの場合は。一般人であるオレにはアクセスできない最新の情報などを教えてもらいたくて、病院まで来ているわけである。同情してもらいたかったり、哀れんで欲しくて病院に来ているわけではないからね!
とはいっても、精神的な救いを求めていないわけではないし、それを医師に求めるのはお門違いというのも分かっていても、ついつい求めてしまう気持ちもある。と同時に耳に心地よい言葉ばかりかけてくる医師が危険だというのも分かっている。
現在、診ていただいている先生はこちらのしつこい質問にもしっかりと答えてくださるし、今のところは大変満足している。もうここまで来ると、打つ手のひとつひとつが命懸けなので、納得できる治療しか受けたくないし、受けられない。
自分の納得できる治療を今後も受けていければいいと思うのだが。
観終わったDVDを返却するために、家の向かいのポストに向かう。
交通量が多い幹線道路な為に歩道橋が設けてあるんだけれども、オレにとって歩道橋って地獄のアイテムなんだよね。健康な人にとっては全く何ともないんだろうけれども、オレにとっては運動負荷が高すぎて、登り切るだけで息絶え絶えになってしまう。
だから、道の向かいにスーパーやパン屋や郵便局、酒屋など便利な店が揃っているのだけれども、ほとんど行かずに道のこちら側のコンビニで済ましてしまう。コンビニが道のこちら側で本当に良かったと思う。
でも、郵便物を出すときには道の向かい側に渡る必要が生じてしまうから、ついでにスーパーや酒屋やパン屋に寄ることにしている。やはり、スーパーの安さは圧倒的だ。缶コーヒーが65円とかなので、コンビニとかで缶コーヒーを買うのはバカらしくなってくる。パン屋もコンビニよりは当然安い。味は大したことはないけれども。
だから、これらの店をもう少し積極的に利用できればと思うのだけれども、今の身体ではなかなか難しいというのが現状だ。
ネット上の古本屋スーパー源氏で吉川英治版三國志全八巻を注文する。2800円とかなので、一冊あたり半額以下で買えた。
もちろん、アマゾンとかでも古本を扱っているんだけれども、1冊ずつしか買えないんだよね。つまり、7巻だけ誰々が出品していますみたいな感じで。それに比べて、古本屋だと全巻まとめて購入することができるから便利だ。古本屋で本を買うこと自体は、出版社や新刊本屋さんに申し訳ないとは思うけれども、新刊本も浴びるように買っているので許して欲しい。普段は古本買ってないし、ブックオフにも行ってないんで(笑)
DISCASで借りたHEROを観る。
監督チャン・イーモウ、衣装ワダエミ、撮影はクリストファー・ドイルと妥協無いスタッフ陣だけでも凄いのだけれども、主演がリー・リンチェイ、相手役がドニー・イェンというのが最高。トニー・レオンとかチャン・ツイイーも出てるけれども、先に出ている2人と比較したら霞んでしまう。
モブシーンのCGと矢が飛んでくるエフェクトがとにかく凄い。劇場で観たら、ちょっとトラウマ映像になるんではないかというぐらいの迫力。ストーリーの進行に合わせて、衣装の色が変わるのも美しい。劇場で観れば良かったなと、ちょっと後悔した。
香港の映画はスタントを使わないという話だけれども、トニーとマギーとかもスタントを使っていないとしたら、本当に凄いというか驚愕だと思う。それぐらい、ワイヤーアクションがハンパじゃない。
また、葉っぱが舞う様子だとか、水滴が落ちてくるだとかのエフェクトがまた凄い。まるで本当にハイスピードカメラで撮影している映像みたいに見えてしまう。香港映画のCGとかってほんの最近まで見るに堪えなかったし、未だに疑問なのも多いけれども(2046とか)HEROのCGは凄かったなあ。
ストーリーの展開も今までにない感じでなかなか興味深いんだよね。という感じで、興味があったけれどもまだ見ていないという人には、オススメの一本。
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■2005/02/19 (土)
ファンタジー・コンプレックス |
ガンエヴォのコラムでも紹介したDVDレンタルシステムの第一便が到着した。
CDレンタルみたいな薄い封筒に入ってきたので、驚く。もう少し大げさな包装で送られていくるかと思っていたのだ。しかも、中にはチラシみたいな余計なものは一切入っておらず、DVD2枚と切手の貼ってある返信用封筒のみ。本屋で買い物しても、変な速読とかのチラシが付いてくる今、これぐらいシンプルだと気持ちがいい。これだけで、なんか商品として価値があるというという気がしてくるよ。
記念すべき最初のレンタルは「ダーククリスタル」と「ヒーロー」。「ダーククリスタル」は小学生の頃に見たパペットを使ったファンタジー。セサミストリートとかのジム・ヘンソンが監督なんだけれども、素晴らしいの一言。
手で動かしているのと、人が入っているのをうまく組み合わせているんだけれども、不自然さは全くない。
前にも書いたけれども、ファンタジーアレルギーがあって「ロード・オブ〜」とかも全く見ていなかったんだけれども、「ダーククリスタル」を見ていると、剣とか魔法とかの世界にどっぷりはまってみるのもいいような気がしてきた。
別にSFに嫌気がさしたわけではないのだが、ファンタジーに豊かな土壌というか滋養というか栄養があるのなら、そっちからも吸収したいという感じ。SFは本当にジリ貧というかネタ不足で、明らかに読者は栄養不足なんですよ! SF好きっていっても、友達が増えるわけでもないし。まだ「指輪物語」読んでいる方が、友達が増えそうな気がするし…
小中学生まではそれほどファンタジーアレルギーでもなくて、普通にRPGとかやってたんだけれどね。ドラクエとFFに手を出さなかったのが、大きかったかも。その頃はPCでRPGをしてたので、ファミコンのはチャチくてプレイに耐えられなかったんだよね。パスワードとか記録するのも大変だし。
性格的に本とか映画でもそうなんだけれども、途中から読んだり見たりってできない性格で。まさか、今からドラクエの一作目をプレイするわけにも行かないもんなあ。
ガンエヴォのゲラ戻しの日。
ここ数日間、膨大な量のゲラと格闘していたのだ。オレの場合、ゲラを読む場合は主にベッドに寝っ転がってやる。これは、別に「オレがだらけている」という理由ではなくて、体力的に起きているのが辛いというのと(起きている間はPCで執筆したいし)、ゲラ読みなら寝たままでもできてしまうというからだ。
枕元に常に逆さでもかけるパワータンクボールペンが枕元のランプにヒモでくくりつけられている。あと、ゴムで手帳が同じようにくくりつけてある。文章で表現すると貧乏くさくてカッコ悪いんだけれども、ヒモとゴムは壁の色と同じ白なので目立たないし、ペンと手帳自体は使わないときは壁の隙間に落ち込んだ状態で隠れている。
「手帳やペンぐらい横着しないで、床に置いておけばいいじゃない」という声が聞こえてきそうなのだが、とっさに電話がかかってきたときや、体調が悪いとき(いつもだ)身体を動かして床にある手帳やペンを取るのって結構たいへんで。しかも、手帳やペンって小さいから、すぐ本とかの間に挟まってどっかにいっちゃうんだよね。
それを防ぐためにこういうシステムにしてみたんだけれども、これがなかなかいいね。何か思いついたときやメモりたいときにすぐに手帳とペンをたぐり寄せることができるし、要らなくなったら放り出せば勝手に所定の位置に戻る。なんか、自分でも凄いシステムを構築してしまったような(笑)そんな気持ちになっている。
ベッドサイドで仕事をしているといえば、ベッドをセミダブルにして本当に良かったと思う。買ったときはセックスするときに窮屈な思いをしないで済むようにと思ったのだが、結局は女性ではなくゲラやPCを侍らせるハメになった。
セミダブルなおかげで、PCやPSP、ケータイ、文庫本、お菓子、読む前のゲラと読んだゲラとかを置いていても、ちゃんと自分が寝る場所も確保できる。何となく、部屋が広くなったからという理由でセミダブルにしたのだけれども、これほど仕事上で恩恵を受けることになるとは思わなかった。
部屋の広さが問題になるけれども、机もベッドも大きいに越したことはないというのが結論だ。大きいモノを買えば、その大きさだけの恩恵が間違いなく受けられる。もちろん、あまりにもでかすぎて部屋の動線を妨げてしまうのは論外だけれども。
昼間ぐらいに、秀君からケータイにメール。
なんと、PSPを買ったそうである。なんて兄孝行な弟なんだ! せっかく、PSPを手に入れて対戦して楽しもうと思っているのに、回りには誰も買った人がおらず。対戦どころか、その所有しているという喜びを分かち合う仲間もいない状態であった。
まあ、会社とか学校とか社会的な組織に現在属していないという状況もあるので、PSPに限らず孤立するのはしょうがないにしても、さびしいことには変わりなかった。
そんな状況下での秀君のPSP購入はオレの孤独な魂に癒しの水となってくれるはずだ。秀君は麻雀格闘倶楽部を買ったという。オレもこのゲームを持っているから、相手に不足はないのだが、実は年末に買ったまま放置状態になっていた。
というのも、アーケード仕様の超硬派なルールのためにメチャクチャハードなんだよね。アカウーワンウッピン乗るし、持ち時間も短い。とてもじゃないけれども、ついて行けなくて全然やっていなかった。そもそも、じっくり楽しめるゲームが欲しくて麻雀ものを買ったのに、その当ても外れてしまったからだ。
でも、秀君が買ったというならば、話は別である。このゲームでは段位が付くんだけれども、とりあえずある程度それを上げておかないと恥ずかしい。ということで、プレイを再開したんだけれども、難しい。っていうか、全然勝てない! 少し上がっていた順位もズンズン落ちていく。
高校時代あれほどやったのに、今では忘れている役すらある。全くもって情けない。とにかく、秀君に対して威厳を守るために特訓をする必要がある。ここ最近ぬるい「どこいつ」専用機と化していたPSPを麻雀専用機に変えるのだ!
弟よ、待っておれ。
この日は大学時代の後輩の結婚パーティのお誘いがメールできていた。自分の回りの同級生が面倒見が良いというのがあると思うのだけれども、後輩には(先輩にもだが)恵まれている。名前とか学年とかうろ覚えなんだけれども、学生時代とかにやった花見とかにも来てくれているから、顔はバッチリ覚えているよ!
でも、結婚とかの話が出るのは後輩ばかりで、同級生は野郎ばかりで固まって遊んでいる印象。まあ「あすなろ白書」みたいなキモイ状態になっているよりは、いいと思うけど。
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