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ラジオの周波数を次々と替えていくような声が
途切れなく聞こえていた
目が覚めたら窓が開いていたので
外からの声が聞こえていたのかと思えば
それもまた夢のなか なのだった
何度か意識は覚醒し
そのつど何かを納得し
でもまだそこも夢の一部 というような時間
どこからが現実
どこからを意識化し
どの範疇が共通認識
もしかしたらどこまでも実体はなく
無意識こそがリアル
*
本は読める
音楽も聞ける
そんな時期
必要最低限の人との関わり
猫を見つめる
黒アゲハやアオスジアゲハの動きを追う
雲の動きや
欠けていく太陽を眺める
棚のあいだを巡る
カートを押して
沈思黙考のようなひととき
鶏がらスープをとって大根を煮よう とか
牛すじで肉じゃがを作るのはどうか とか
メニューを思い描きながら
冷ややかな棚を往来
足りないもの・気になるものを
ひとつひとつ手にとったり目にしたりしながら
*
帰って読書
忘れていた洗濯物を干し
また読書
野菜を煮込みながらwineを開け
エビと茸を炒める
ガーリックの効いたパンを焼き戻す
一日は暮れ 滞りなく予定は終わる
客観的には何ごともなく
主観的には何ごとかあり
きのう絶対音感ならぬ 絶対音楽 という言葉に触れた
今日は詩人たちが備える 絶対(極私)音感 という言葉に出会った
配られる類似のカード
生じる共通性・偏りが感じられる
立てているアンテナの向きが
偏った領域を受信してしまうのだろう
ゆっくり歩くといい
変わりそうなシングルにあわてたりせずとも
ゼリーに添えるフルーツの種類を考えあぐねたりしつつ
音楽の話
ゆっくりとしたピアノ
雨だれのような不規則さ
途切れそうだったり
続いたり
止んだり
眠りにおちて意識が途切れるような
未完成曲最後の音
が消えたあと
空白に続く
鳴り止まぬ拍手・歓声
(アリス・アデール)
*
せみがわしわしと元気よく鳴きだす朝
カラス 車
幾種類かのせみたちが通奏低音を奏でる
アイロンかけ 買い物リスト
きのうのここちよさは
過ぎたものたちが見せる
夢
実体は果たして
何で どこにあって
どんな色と形
性質を持つのか?
不明なまま
気がつけば”もうこんな時間”
が経っている
うすまくの話をしていただけなのに
全然効率的ではない時間の使途
でもここちよく浸っていられる
それは奇跡的
と呼べるのかもしれない
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■2009/07/14 (火)
樹木の記憶説もしくは幻聴 |
雨の音が聞こえる窓辺
パタパタ手すりに打ち付ける音
ざわざわ梢が風に鳴る音
路面を滑るタイヤの音
本当は雨など降ってはいない
なのに聞こえる
ありありと確実に
夕方自転車ごと転ぶ
ゆるい坂道を斜めに
脛の打ち身・擦り傷・少しひねった右腕・手のひらの血豆・うっ血など
やれやれだ
体育館の事務室で消毒薬をかしてもらう
ダンス・エクササイズは通常通りこなせた
蒸し暑いので1500ccのペットボトルがほぼなくなる
昼間はプールを30往復
一時間半の午睡
身体が目覚めきっていなかったのかも
雨 けっこう降りしきる
蝶の花が次々と咲く
鉢の土が乾くと雀たちが土浴びをして蹴散らしてゆく
ヒカリゴケ
見ようと思っても見えない本質
と似ている
「人生があって音楽がある」ということ
「技術よりもメッセージ」が大事ということ
太陽系外探査
外に立つこと
30往復(たぶん)
数えまちがいもあるし
年の為もうひと往復しておく
背泳ぎで
5回も10回も一緒という気がする
10回も20回も平気ならば
今日も空模様ははっきりしない
雨雲は見えているし
今にも降りそうなのに
晴れ間ものぞく
迷う洗濯物たちの在りか
夜になって雨らしい雨
強い風も吹く
でも長くはない
やっぱりちょっとがっかりしてしまう
髪を切る
何年振りかで前髪をつくる
月下美人
ランタンに照らされた階段
ライトアップの噴水
植物たちの甘い匂い
夜に咲くハスもある
ずいぶん久しぶりの植物園
予報どおりでは全然なく
土砂降りにはならずじまい
少し残念
出掛けにスカートを替えたので
せっかくポケットに用意していた
小銭もカードも忘れてしまった
傘のことやビーチサンダルのことに
気をとられていたのかも─
土砂降りの雨に備えたのに空振り
どんより曇ったままの夕方だった
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■2009/06/09 (火)
どうしてこんなにと思うほど |
にじみ出る
流れ覆い
しとり気となって纏う
午睡のあとで
梅雨の空気を実感する
ガラス瓶のなか
根を出す
白い花のあと
先々週の名残りはすでに変化しなじむ
茎が伸びないと飛んでいる気がしない蝶
迷走中のような私の庭
彼はほとんど何も変わらないままそこに居る
気がした
黒い半袖のシャツ
短い髪
蝶の花が咲いていた頃だった
笑顔
降って来るのは視線の位置のちがいか
とめどない
おわりもない
くりかえし
ひきもどされ
くりかえしを
くりかえす
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