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■2010/03/13 (土)
監督の友人ミュージシャンの仕事か |
「マッドマン・マーズ」
今日は80年代のドマイナーなスラッシャー・ムービーを…。
キャンプファイアのホラー話の主人公マッドマン・マーズが実在していて、キャンプ場にきていた男女を血祭りにあげるという、そのまんまな「13金」フォロワー作品。81年。
正直面白くもない作品だが、観るべきところがないわけではない。
まずヒロインを演じているのが、「ゾンビ」のフラン役でホラーファンには根強い人気を誇るゲイラン・ロス。
どういうわけかAlexis Dubinなどという変名を使っているが、とにかく出演作の少ない女優だけにこれは貴重。
(ファイナルガールであるはずの彼女が最後の最後で殺されてしまうという掟破りもある)
あと一人前に主題歌があったりして、その“マッドマン・マーズの歌”はそれなりに聴かせる。
主題歌
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■2010/03/09 (火)
金があれば年の差なんて |
「サンセット大通り」
地下生活者のお店でチェック
売れない脚本家が元サイレント映画の大物女優に雇われ、彼女の家へ住み込んで脚本を書いているうちに、徐々に彼女の狂気に捕われ、最後には殺されてしまうというビリー・ワイルダー監督の傑作ドラマ。50年作品。
いや〜、この時代にもうこんなハリウッド内幕ものが作られていたとは…。
しかもグロリア・スワンソンという、忘れられたサイレントスターをそのまんまの役でキャスティングするという…虚実皮膜を地でいく徹底的なリアル志向。
サイレントからトーキーへの時代の激変を乗り越えた名監督、セシル・B・デミルを本人役で登場させるのも凄い(デミル監督の演技がこれまた上手い!)。
スワンソンの夢想を守ることに人生を捧げた執事(演じるのはサイレント映画の監督でもあったエリッヒ・フォン・シュトロハイム)がいい。
ワンシーンだがグロリア・スワンソンのカード仲間(忘れられたスター集団)の一人として、あのバスター・キートンまで顔を見せている。
ワイルダー監督のこの反骨精神、ブラックユーモアのセンスはなかなか凄い。
ウィリアム・ホールデンは主人公にしてはいささか影が薄いが(グロリア・スワンソンが強烈すぎるからだが)、最後に背後から銃で撃たれて死ぬシーンだけは良かった。
「ワイルドバンチ」でも女に背中を撃たれていたし、実は女に背中を撃たれるのがもっとも似合う俳優の一人なのかもしれない。
予告編
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■2010/03/07 (日)
ジョセフ・コットン最後の仕事 |
「ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー」
地下生活者のお店でチェック
乗客300人全員が死亡する大惨事となった墜落事故からひとり生還したパイロットが、乗客の霊とともに事故の真相を究明しようとする異色オカルト・サスペンス。81年作品。
日本では劇場未公開だったがTV放映され、「墜落大空港」のタイトル(なんだかパニック映画みたいだが)でよく知られている作品。
未公開の小品というイメージだったが、あらためてオリジナルを見直すとけっこう金はかかっている。
特に冒頭のジャンボ墜落シーン。
炎上する機体やその残骸、殺到する緊急車両、報道陣、死体処理のシーンなど、異様なリアリティをもって迫ってくる。
アントニオーニの「欲望」や「サスペリア2」の主演俳優デヴィッド・ヘミングスの監督作品だが、その演出手腕はなかなかのもの。
冒頭の広場で子どもたちが“だるまさんがころんだ”(外国にもあったんだ)で遊んでいるシーンにはじまり、思わせぶりなショットの連続が、何かが起こりそうないやな予感を観客に感じさせる。
墜落事故の真相はやや唐突でわかりにくいところがあるが、そのオチは鮮烈で、「恐怖の足跡」や「ゾンゲリア」の系譜といえば察しがつくだろう。
予告編
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■2010/03/04 (木)
スパイ映画ブームの余波も |
「ミクロの決死圏」
地下生活者のお店でチェック
人間の体内を一つの宇宙に見立てた60年代SF冒険活劇の傑作。66年作品。
作り物然としていてリアルという言葉からは程遠いが、60年代らしい色彩感覚が今観るとひじょうに新鮮で楽しい。
科学者たちがミクロサイズでいられるのはきっかり60分。
亡命科学者が瀕死の重傷を負い、緊急招集された主人公たちがミクロされる、ここまででちょうど上映開始30分。
あとの60分はたっぷり“FANTASTIC VOYAGE”に費やされるという、オンタイム映画の元祖。
最初地味な女と思われたラクエル・ウェルチ演じる助手が、作業着みたいなユニフォームを脱いでウェットスーツ姿になったときの衝撃!
夢に出てきそうな見事なボディライン。
予告編
「真夜中の狂気」
地下生活者のお店でチェック
「食人族」のルッジェロ・デオダート監督によるエロチック・サスペンス。80年作品。
デオダートは名作「食人族」を撮ったことでカルト監督として崇拝されているが、イタリア映画界ではダリオ・アルジェントら一部例外を除いて、監督は基本的に依頼があれば何でも撮る職人。
(そのアルジェントもデビューはマカロニ・ウエスタンの脚本だったが)
これもイタリアでは「白昼の暴行魔」以来の伝統を誇るレイプ&リベンジものの一編で、デオダートの名前に期待をすると間違いなく肩透かしにあう、つまらなくはないが大して見るべきところもない凡作。
「鮮血の美学」や「ヒッチハイク」でおなじみのレイプ俳優デヴィッド・ヘスの主演で、彼の個性だけでとりあえず作品がもっているかんじ。
ヘスの手下の頭の弱い青年を演じるのが、またまた出ました、イタリア映画界屈指の被虐俳優ジョン・モーゲン(「地獄の謝肉祭」「人喰族」)。
悪人になりきれない微妙な役どころで、彼本来の持ち味である繊細さはよく出ていたのではないだろうか(死に方もわりと普通)。
予告編
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■2010/02/27 (土)
妙になごむテーマ曲 |
「食人族」
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イタリア映画界が世界に誇るフェイク・ドキュメンタリーの傑作。81年作品。
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や「パラノーマル・アクティビティ」など、新進のフェイク・ドキュメンタリーが登場するたびに、“昔はよかった”的に引き合いにだされる名作。
僕自身も劇場で大いに興奮したクチ(当時バリバリの中学生!)だが、今観ると…
これ、完全な劇映画でしょ(笑)。
それでもエロ度、グロ度ともに申し分なく、純粋に食人映画として面白くできているし、“ヤラセ”をテーマに扱ったヤラセ映画として、そのテーマは今でも十分価値を保っている。
日本では食人映画の土壌がなかったために純粋に受け止められてしまったが、、実際イタリアでは「怪奇!魔境の裸族」にはじまり、「カニバル/世界最後の人喰い族」などコンスタントに作られてきた食人映画の一作で、おそらく本国ではすでにマンネリ感が漂っていたのだろう、それを打破するためにフェイク・ドキュメンタリーというアイデアが投入された、まさに変化球編だったのである。
しかしイタリア人はなぜにここまで未開人が好きなのかね…。
予告編
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■2010/02/22 (月)
トム・サヴィーニは偉大だ |
「封印殺人映画」
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70年代末から80年代前半にかけて巻き起こったスラッシャー映画の大ブームを、関係者の証言とハイライトシーンで振り返ったドキュメンタリー。2006年作品。
“THE RISE AND FALL OF THE SLASHER FILM”の副題のとおり、「ハロウィン」「13日の金曜日」が火付け役となって起こったブームが80年代後半には収束、90年代半ばに「スクリーム」でやや盛り返したがまた下火になり、00年代の「ソウ」や「ホステル」などの拷問ホラーに取って代わられていくといった歴史が、関係者によって語られていく。
ジョン・カーペンターやショーン・S・カニンガム、ウェス・クレイブンといったおなじみのメンツに加えて、「ローズマリー」のジョセフ・ジトーや「プロムナイト」のポール・リンチにまでインタビューしているあたりが新鮮。
日本ではドマイナーな「戦慄!悪夢の卒業式」という作品が大きくフィーチャーされていて、あちらではカルトなのだと思い知らされる。
「悪魔のサンタクロース」の映像がやけに綺麗なのにも驚かされた。
それにしても「バーニング」のカヌーのシーンはテンションが高いなと…
久しぶりに観たい。
予告編
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■2010/02/20 (土)
ウルトラ作戦真1号 |
「ウルトラマン」
地下生活者のお店でチェック
円谷プロが「ウルトラQ」の爆発的人気と怪獣ブームを受けて製作した、本邦初の巨大ヒーロードラマ。66年作品。
初代ウルトラマンのスーツアクターとして知られる古谷敏の回顧録「ウルトラマンになった男」を読んでいたら無性に観たくなったので…。
やはりウルトラマンといえばこの初代ウルトラマン、その中でもスタッフも演者も手探りで作っていた初期作品…後期のお面のようなすっきりした顔ではなく、目つきが悪く、肌もラテックス製でボコボコの、妙な生物感を感じさせる、いわゆるAタイプのウルトラマンが活躍した最初の1クール目が一番魅力的。
古谷氏の本を読んでいておやっと思ったのは、最初に撮影したのが第5話の「ミロガンダの秘密」だったというところ(第2話の「侵略者を撃て」が最初だと認識していたので…)。
あらためて見直してみると、なるほど冒頭の新聞記者が謎の怪生物に襲われるくだりや、全体的なミステリームードは完全に「ウルトラQ」の世界。
グリーンモンスという怪獣とよぶにはちょっと中途半端な存在(放射線の影響で巨大化した食虫植物)も実に「ウルトラQ」っぽい。
(劇中では決してグリーンモンスとはよばれないあたりも、ナメゴンやモングラーを思わせる)
この「ミロガンダの秘密」と2本撮りされたと思われるのが、同じ伊豆方面でロケされている第3話の「科特隊出撃せよ」。
登場するのは急ごしらえを感じさせる粗雑な着ぐるみの透明怪獣ネロンガだが、夜間の丸の内が舞台で動きの少なかったグリーンモンス戦からは一転、発電所の広大なセットをぶっ壊しながらのド派手な取っ組み合いを見せてくれる。
古谷氏のコメントによると、このアクションではネロンガを演じたゴジラ俳優・中島春雄の存在も大きかったらしい。
ウルトラマン前夜祭
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■2010/02/16 (火)
イーストウッド、ややキャラ負けか |
「続・夕陽のガンマン」
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クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、セルジオ・レオーネ監督の「夕陽のガンマン」トリオが再び作り上げた、マカロニ・ウエスタンの決定版。66年作品。
今さら言うまでもない名作中の名作。
“オレ、イイ奴”の吹き替え版に慣れ親しんだ者には、2時間40分の長尺はややハードルが高いが、観始めるともう止まらない。
単なる無法者を描いた西部劇にとどまらず、南北戦争を軸に19世紀の在りし日のアメリカを描いた壮大な叙事詩であり、またこれ以上ないほどのロマンチックな抒情詩でもある。
それをイタリア人が作ったというところがまたなんともいい。
イーライ・ウォラックが墓場をかけめぐるシーン、なんであんなに感動してしまうのだろう…。
予告編
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■2010/02/14 (日)
異常な状況下で生まれる愛 |
「逃走迷路」
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濡れ衣を着せられた主人公が追っ手を交わしつつ各地を転々、最後に真犯人を捕らえるという、ヒッチコック監督お得意のサスペンス。42年作品。
「北北西に進路を取れ」の原型と言っていい佳作。
(主人公が最後にたどり着くのがラシュモア山ならぬ自由の女神で、実物大セットを使ったアクションが見事)
ファシズムを志向する反乱分子の破壊活動(SABOTEUR=原題)が描かれるあたり、第2次大戦開戦直後のきな臭い時代の空気を感じさせる。
行く先々で盲目の老人やトラックの運ちゃん、サーカス団のフリークスら、社会の片隅で生きる名もなき市民に逃走を助けられてきた主人公が、反乱分子の親玉にアメリカ市民の素晴らしさ、民主主義の大切さを説くあたりが、(映画に思想を持ち込まない)ヒッチらしくなくて意外だった。
予告編
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