|
■■催眠('01)
監督:落合正幸
主演:稲垣吾郎、菅野美穂
しょうもない作品な事は重々承知だが気になるのだ。松岡圭祐の原作は、文章的に難があって全くもっていただけないが、脚本は、落合監督(いい響きだ)と福田靖が担当。宇津井健、渡辺由紀(結構大きい役なので、どんな人だろうと調べたら、ユニチカのマスコットガール出身で青年座の人、今ではすっかり見かけないが)を初めとするメインキャストの芝居は、下手(というかそういう演出)。「催眠」を使った謀略サスペンス(「失われた時を求めて」とか「テレフォン」とかの)風にはじまる(カルト集団では?という刑事の台詞もある)、前半は素晴らしく、オチのつけ方次第ではもっとよくなったろうが、なんだかわからないけど、オカルト的なホラーにしてしまったラストは実に稚拙。大杉漣、渡辺、宇津井らに催眠をかけたのは、菅野(当時ホラーづいていた)に巣食う第4の人格だが、冒頭の3人はだれがかけたのだろう?ラストで、稲垣も催眠から逃れられなかった事が示唆されるが、警視庁脇の巨大ポスター(再三出てくる)の少女の目に首吊りのサブリミナル効果が潜んでいたという、ラストの暗示は好みのパターン。
他には、升毅、佐戸井けん太、白井晃、中丸忠雄、石川真希、でんでん、四方堂旦ら。
■■ナインソウルズ('03日本)
監督:豊田利晃
主演:松田龍平、原田芳雄
「ポルノスター」「青い春」など豊田監督が描く、ある種パンク的な、フラストレーションを爆発させる刹那的な青春映画は、悪くないんだけど冷静に考えるとおかしい。ノイジーな音楽は、dipなるバンド。冒頭のテーマ曲がミッシェルガン・エレファントみたいだ。
刑務所から脱走した9人が、向かった目的地に何も無かった後、一緒になって、遣り残したそれぞれの旅を始める。他には千原浩史、鬼丸、板尾創路、KEE、鈴木卓爾、マメ山田、大楽源太、松たか子、伊東美咲、京野ことみ、鈴木杏、唯野未歩子、今宿麻美、國村隼、北村一輝、藤木悠、麿赤児ら。
ナインソウルズ制作委員会、2h00
■■ わたしのグランパ('03)
監督:東陽一
主演:菅原文太、石原さとみ、平田満、伊武雅刀
原作は筒井康隆で、刑務所がえりの初老の男と孫娘がおりなす物語。孫の石原さとみ(これがデビュー)の視線で語られているが、途中まではなかなかいいが、安易になファンタシーにしてしまったので、興味を急速に失った。最近の邦画は、途中までは好き、と言うパターン多し。浅野忠信の役柄がおもしろい。ラストに流れるAlpha.の曲がいい。
1h53
■■ 幸福の鐘('03)
監督:SABU
主演:寺島進、篠原涼子、塩見三省、鈴木清純
SABU監督と言えば圧倒的なスピード感の映像が印象的だけど、これは主人公(寺島)の台詞を極力配し、ゆったりとしたペースで淡々と進む。オフビートな北野映画的な演出は賛否両論あるけど、どうかな。現代の寓話っぽい印象。
1h27
■■■ 鏡の女たち('03)
監督:吉田喜重
主演:岡田茉莉子、田中好子、一色紗英、室田日出男、山本未来
吉田喜重14年ぶりの作品は、ミステリアスな1本。
失踪した実の娘ではないかと思われる女性は、記憶を失っていたと言う設定、三世代に渡る母、娘、孫の物語。演劇的で、台詞回しも現実的ではない(不条理劇のよう)。挿入される現代音楽も、緊張感を高めつつ、弛緩させる所はさせる。一見拒否しそうな映像だけど、実は曲者で見入ってしまう。エンターテイメントとは対極にあるような内容だけど、じわじわと来る。広島原爆投下の反戦ものになって行くのは、後半からで広島ロケが効果的だ。
2h09
|
■2005/01/21 (金)
Quartet・カルテット |
■■■Quartet・カルテット('01日本)
監督:久石譲
主演:袴田吉彦、桜井幸子、大森南朋、久木田薫
北野映画の音楽として知られている久石の監督デビュー作。
音大出身で、弦楽四重奏(=Quartet)を組む4人の仲間を描いた青春映画。
オーソドックスなつくりが嬉しく、思わぬ拾い物だった。この前見た「ヴァイブレータ」とは大森が全く違う役柄。何といっても音楽が魅力。ふだんこういう弦ものは一切聞かないし、どっちかと言うと苦手だが、緊張感あふれる演奏はなかなかスリリングで攻撃的だ。音楽以外の4人の周辺のスケッチは、まだまだというか、どうでもいいのだが。どさまわりで、トトロの曲やると子供たちが反応するシーンが面白い。他には、三浦友和、藤村俊二、草村礼子、石丸謙二郎、升毅ら。
1h53
■■ヴァイブレータ('03)
監督:廣木隆一
主演:寺島しのぶ、大森南朋
これはフシギな映画だ。バランスをくずしてバラバラ一歩前の女性が、ヤクザなトラッカーと知り合い癒され再生してゆく話。大胆なヌードを披露した寺島は、歌舞伎俳優の七代目尾上菊五郎と富司純子の娘。この役柄(食べ吐きとアルコールに依存)は、ある種近年の鈴木祥子の世界に近いかも。
ほとんどがトラック内の撮影だが、雪道のシーンに流れる”しんしんしん”(はっぴいえんど)にビックリ。
1h35
■■■ さよならクロ('03)
監督:松岡錠司
主演:伊藤歩、妻夫木聡
昭和30年代に実際に長野県の高校であった話−ガッコウに住みついた犬と生徒たちの交流の話を基にしたもの。「動物を主人公とした心温まる話」とは少し違い、周辺の人々の青春ものとなってはいるが、視点がバラバラで、まとまりに欠ける。前半は69年頃で、妻夫木、伊藤、佐藤隆太、新井浩文、三輪明日美(「ラヴ&ポップ」なつかしい)、宮本伸二らが生徒。後半はその10年後で、前半に出てた教師(塩見三省、田辺誠一、余貴美子、井川比佐志)も登場する。 とは言え、この種の映画に冷たい僕でも一気に見せる語り口は、松岡監督ならではのもの。「きょうのできごと」でも共演してた伊藤と妻夫木だが、役柄はかなり違う。伊藤歩の芝居の幅の広さを感じさせる。他には、リリィ、根岸季衣、渡辺美佐子、でんでん、金井勇太、柄本明ら。
1h49
|
■2005/01/15 (土)
Dead End Run ・ 渇いた花 |
■Dead End Run('03)
監督:石井聰亙
主演:伊勢谷友介、永瀬正敏、浅野忠信
「逃げる男」をテーマにした3話オムニバス中篇。
実験的手法で、娯楽性低し。この3人は絡まず、他に粟田麗、市川実日子、光石研らが共演。
1h00
■渇いた花・4 X 4 = 1 ('03)
監督:永瀬正敏
主演:市川美和子、秋桜子、長澤みはる
俳優、永瀬の初演出となった中篇で4人の女性を主人公とした実験映画。
本人がその気になっているが、これはマスターベーション以外の何物でもない。
1h00
■■ロッカーズ('03)
監督:陣内孝則
主演:中村俊介、玉木宏、岡田義徳、塚本高史
陣内孝則の初監督(長編)作品。ミュージシャンというよりも、俳優のイメージが最近は強いので、「いつかどこかで」(小田和正)「稲村ジェーン」(桑田佳祐)なんかよりも、「少女」(奥田瑛二)、「無能の人」(竹中直人)の流れかな。80's初めに博多から登場したTH eROCKERS(こういう書き方だった)を振り返った自伝的小説をベースにした青春もの。あっさりと音楽活動から足を洗った(?)陣内という人はドラマを中心に役者、タレントとして活動。そこで培った軽いタッチが随所で生き、思わね好作品となった。他には、佐藤隆太、伊佐山ひろ子、中井貴一、佐藤浩一、小泉今日子(SM風ファッション!)、鈴木京香、モト冬樹ら。ヒロインの上原美佐は、クロサワの「隠し砦」に姫ではなく(当たり前だ)、キュートな新人。
バンドの話だが、シンプルなめんたいビートは、これぞロックと言う感じで、ロックの原点を見る感じ。
フレーズは有名曲から借りまくりだが、素晴らしい。
演奏は同郷のルースターズの残党による、ロックンロール・ジプシーズが担当。
|