坂田博昭の「馬のない日はつれづれ」

アナウンサー坂田博昭の「日々是好日」

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さるさる日記

2010/02/08 (月) 日本は遠く、アジアは近い

 沖縄が、今で言う日本本土の方を向き始めたのは江戸時代になって間もなくということ。しかし、首里城で見た展示やその他資料によれば、それより前の長い間も、またそれよりあとになってからも、沖縄は北東だけではなく東西南北四方にネットワークを巡らせて、モノや情報を通じ合わせていたようです。

 私が那覇に降り立った第一印象が、「ここはディープアジアの入口」というものだったのも、そんな歴史的経緯と無関係ではないような気がします。

 建物のたたずまいには、戦火により旧時の面影はすっかり失われているはずの「風土」のようなものを感じますし、行き交う人々の雰囲気の違いは、本土の中の地方都市を訪れたときに感じるものとは全く違う。そんなムードがあるからこそ、沖縄を訪れる多くのファンを魅了し続けているんでしょう。

 今まであまり意識したことがありませんでしたが、改めて地図を見てみれば、地理的に見ても沖縄は、東アジアから東南アジアへと広がる巨大な「扇」の「要」のポジション。歴史的に沖縄が果たしてきた役割も、そんな地理的状況から納得できます。

 一般的日本人が沖縄に対して持つイメージは、率直に言えば、マリンリゾートと米軍基地しかないでしょう。私もそうでした。

 しかし、今回沖縄を訪れてみて、現状はともかく、本質的には認識が浅かったと悟りました。

 沖縄の県民所得は、全国最下位だそうです。
 いま、これだけアジアが注目されている中、このポジションにある沖縄が浮かび上がっていないというのは、大きな機会を逸失しているような気がしてなりません。
 返還以降、様々な振興策が講じられているんでしょうが、それらはいったい何だったんだと。暢気にリゾート作って、日本の限られた市場を相手にするような類の商売では、沖縄の本当の、潜在的な価値は引き出すことが出来ないんじゃないでしょうか。

 那覇空港に降り立ち、これほど多くの場所から那覇への路線が展開されていることを初めて知りました。「扇」の「右側」は、実に充実している。なぜこれが上とか下とか左側に展開しないのか。「成田をハブ空港にする」なんて夢物語よりも、余程現実的に思えるんですが…。

 そういえば、昨年ANAが貨物の拠点を沖縄に作り、密かに注目していたのですが、その後の話をなかなか聞きません。調子はどうなんでしょうか?

2010/02/07 (日) ほとんど初回

 下関から帰って、少し時間があったので、突然ですが沖縄に行ってまいりました。

 沖縄に行くのは、20年ぶり。
 今この話をすると、ひと世代下の人たちから不快感に溢れる反応が来るのを恐れるのですが…私がかつて勤めていた会社に入った直後、「船上研修」と称する「研修」があり、その機会に沖縄に行って以来の今回の訪問でした。

 会社の研修で沖縄に行けるというだけでも、「ふざけんなっ!」って話でしょうけど、「船上」と銘打たれていることからわかるとおり、船で行きました。それも、当時建造されたばかりの豪華客船を借り切って、新入社員と年の近い先輩社員の「合宿」的雰囲気の旅行…ああ、違った。研修ね。何せ新入社員だけで千人オーダーでしたから、1回じゃ乗り切れず、行程自体ふた班に分けてという、今からすれば想像を絶するイベントでした。

 そういう時代だったんですよ…当時はね。
 2年間、似たような形で行われた研修で、初回は新入社員として、次回は先輩社員役として行きましたな、そういえば。

 旅行自体は、船の中では広いサロンに集合して、模造紙の山に埋もれつつマジックペンの雰囲気の中で、率直に言って少々退屈な時間を過ごすだけ。船旅の経験の貴重さはありましたけど、目的地だった沖縄は滞在時間も1週間の旅行のうち1泊とかいう本当にわずかなもので、その記憶は希薄。殆ど憶えがありません。ハブとマングースは多分見たと思うんですけど…(それかよ!)

 今回改めて訪れてみても、当時の記憶は全く甦ってくることがありません。まあ20年経ってますから、周囲の景色も全く変わっているでしょうしね。

 そんなわけで、「今回が初回」のつもりでの訪問。車を運転しないので、移動には結構往生しましたが、バスの時刻を調べ倒して2日目には糸満の方まで足を延ばしました。

 なにせパチンコしか博打がない沖縄に、これまで私の中では、出かける動機もイマイチ希薄。調べてみたら、5年前に担当していたラジオショッピングで沖縄を紹介したときに、この日記でも「行ってみようかな」とか書いていましたけど、そこからですら5年が経っている。
 今回は、別の所に出かけるつもりが、アシの確保に失敗しての代替案が沖縄。それでも、出かけてみて良かったです。思うところに気づくところが山ほどあって、いい2日間でした。

2010/02/06 (土) 中堅の頑張りにも期待!

 下関・中国地区選手権の感想文最終回。

 また、下関地元スター候補の堀本泰二選手も、今期初A1で今回が新鋭王座以外初の記念レース。予選突破はなりませんでしたが、節間通じて互角の戦いを展開しました。

 最終日に6コースからまくったレースに象徴されるように、現状での彼の持ち味は思い切りの良さとターンのスピード。いわゆる「巧さ」に属する部分ついてはこれからの経験次第で、そのあたりがまだプレーの「確率」という面で足りない部分と見ているのですが、現状でもアシさえ来れば十分に戦えることを証明した1週間だったのではないでしょうか。

 こういう流れになるなら、正月の下関でのフライングは本当に勿体なかった…元々勝負所ではスタートも攻めるタイプの選手だけに、それも含めたプレーを見られなかったことは今回の心残りでもありました。

 年末の徳山でのデビュー初優勝により、自力で掴んだ徳山MB大賞のチャンスもあります。今回の活躍で、休みのあともまた記念への出走チャンスが出てくるかも知れません。そんな舞台で腕を磨けば、残念だった浜名湖新鋭王座の借りを返す機会が、来年訪れるのではないでしょうか。

 一方、今年から名人戦デビューの今村豊選手と西島義則選手が、見事優勝戦に進出しました。

 今年の名人戦には、52人のうち中国3県から19人が出場。それでなくてもベテランの層が厚い中国地区ですが、その存在感もまざまざと見せつけたのが、この2人の選手でした。記念レベルでもまだ十分戦えるスピードに加えて、レースの巧みさは勢いだけではマネの出来ない貴重なもの。4月の徳山では、今回奮わなかった松野選手らも含めて中国勢が席捲するのではないでしょうか。

 それでなくても、名人戦過去10年で、中国勢の優勝は3回。年齢の下の方だけではなく、上の方での中国勢の活躍も、今年の競艇界の一つのテーマになるのではないかと、強く感じさせられた今年の地区選でした。

 最後に。中堅勢が今ひとつ結果を出せず、選手によっては悩みの境地に入っている人も何人かいるようですが…上と下の台頭の中で、そこから抜け出してくる選手が、一人また一人ときっと現れてくるはずだと、期待しています。

 下関から帰って、時間が空いた昨日と今日は少々出かけてまいりました。
 その話はまた、明日以降に。

2010/02/05 (金) 「若手」と呼ぶのもはばかられる存在

 中国地区選手権の「感想文」(笑)の続き。

 今の競艇界、若手選手といえば九州。しかし、中国にも若手選手台頭の兆しがあると、今回の開催で強く感じました。

 もう「若手」とは認識されていないのかも知れませんが、山口剛選手の存在感はそれだけのものをすでに備えているように感じます。
 最終日に、結果を逸した昨日の準優勝戦を残念そうに振り返りながらこんな風に言いました。

「G1なら優勝戦、SGなら最低でも予選突破をしなければ、賞金的に意味がないですね」

 競艇ファンの方ならおわかりの通り、彼は何も現金が欲しくてそのように言っているわけではありません。思いはすでに、年末の賞金王決定戦出場の12人に残ること。まだ勝っていないSGのタイトルすら、そこに向かうためのプロセスという認識で戦っているようです。

 スタートに関しては「我慢している」と、ハッキリ語っていました。それも、フライングで休むこと自体が、1年の間賞金王に向けて金額を積んでいくことを考えれば明確なロスになるから。昨年スタート事故多発で残念な思いをした山口選手ですが、その苦渋の時が逆に「1年間きっちり戦って、最後は賞金王」との思いを強くさせているのかも知れません。

 勿論、前提として、自身の走りにそれだけの手応えを掴んでいるということでしょうし、我々ファンから見た彼の姿も、すでにその年末12人を巡る戦いにエントリーする資格は十分という認識に違いない。今回も存在感は随一でしたし、この1年間は結果に拘る彼のレースが、非常に楽しみでもあります。

 一方、見事優出を果たした大峯豊選手は、完全に本格化への道を歩み始めたと言って差し支えないでしょう。

 なぜかノーマルモーターは全く出せず、正月に同じ下関で「ノーマルはちょっと…」と不安そうな表情で語っていた大峯選手ですが、今回からは下関も減音。表情に陰は一切見えず、走りもその通り快活なもの。調整の末引き出したパワーは最終的には節一クラスまで仕上がり、このメンバーでの活躍には本人も自信を深めたのではないでしょうか。

 早くから頭角を現しながら、そこから先のペースがスローだった大峯選手。今年は全く異なる姿を、記念戦線で見せてくれるのではないでしょうか。

(あと1回だけ続く)

2010/02/04 (木) 女子王座の「重さ」を担えるかどうか

 下関・中国地区選手権最終日。
 地区限定のレースでしたが、改めて通じて振り返ると、様々な選手の活躍に今後の楽しみを見出すことが出来ました。

 まずは何と言っても、同じ下関で1ヶ月後に迫った女子王座へ向けてのこと。
 前回徳山・今回下関と続けて、これまでの世間の認識以上の活躍をしたことにより、魚谷香織選手は完全にトップランナーの一角と見なされることとなりました。少なくとも、山口県勢5人の中では間違いなく最右翼の存在として本番を迎えることになるでしょう。プレスの取材=注目度も日を追って高まり、その流れは本番まで続いていくのではないでしょうか。

 今回の女子王座でも、活躍できるかも知れません。しかし一方、全く活躍できないかも知れません。流れに水を差すようで申し訳ないのですが、もしかしたら非常に厳しい試練と、新たなる壁を思い知らされる1週間になるのではないかと、私は密かに思っています。

 理由はいくつかあります。1つ目には、女子戦では男性と走るときほど、相対的にアシの差が出ないこと。他の選手も軽量ですから。2つ目には、どんなに努力しても、時間をかけて積み重ねられた「経験」の差というのは、如何ともし難い部分があること。実際、今回も準優勝戦では全くレースをさせてもらえなかったのは、そのことを如実に表しているのではないでしょうか。

 もう一つ、女子王座というのは参加するメンバーのレースへの思いというものがハンパなく強いということ。これは、近く放映されるJLCの直前特集番組で寺田千恵選手が語っていると思うので、是非ともそれをご覧頂きたいのですが、その話と表情を見れば、この女子王座というレースがどれだけ「特殊な」レースなのかということがわかるはずです。

 一方、経験のなさというのは逆に想定不能な正の方向への「爆発力」に繋がることもあります。私がこれまで見てきて、また本人や本人以外の人たちの話を聞いた限りでは、魚谷選手はそんな力を引き出すことが出来る可能性を秘めている。その可能性の源泉は、とりもなおさず「努力」とか「取り組み」でしょう。

 いずれ、魚谷選手は女子王座で活躍し、タイトル取るでしょう。しかし、それは今回ではないかも知れません。そんなプロセスの一つの段階として見るのが、今の彼女を見るためのファンとしての正しい姿勢ではないかと思っています。

(続く)

2010/02/03 (水) むしろ例年以上のペースで利用

 結局今回の下関への出張も、飛行機は従来通りのJALを利用しております。

 気になるJALの提携先。半月に1回ぐらい、新聞社が配信するニュースをネットで見ていると「提携先デルタに内定。間もなく発表予定」といったニュースが出ては、その通りの発表など一切行われないという怪しい事象が繰り返されております。丁度タイミングを同じくして、デルタの広告が同じタイミングで新聞にでっかく出たりしているあたりを見ても、非常にきな臭いものも感じますねぇ(苦笑)。

 2月からの新体制では、「国際線存続・提携先は未定」という見解がハッキリと打ち出されましたので、私としては一安心。「国際線は撤退・提携先はデルタ」という選択がなされた場合、その時点でスッパリとJALから足を洗わなければなりませんから。

 1月から、これまで機内でもらえていた新聞のサービスがなくなったこと以外には、サービス内容にも特に変わったことは感じられません。世の中では、何かわかりませんがとにかく「ヤバい」と喧伝されているようですが、使い続けている客に対する「背信行為」に走ることなく、このまま粛々と「正しい」合理化と事業再構築を進めて頂ければ、頑張って使い続けることで再生を応援していきたいと思います。

 こ難しいことを書きましたが、個人的な本音は…デルタ云々の話だけやめてくれれば、それでいいですって、ホントに。不便ですから。

 下関競艇場、中国地区選手権5日目。

 下関はもともと、記念でもあんまりインが効かない水面。波乱も多い今シリーズですが、私が見てきた限りこれが「下関スタイル」。舟券で参加して下さった皆さんは、そんな波乱のレースにもしっかりついてきていらっしゃるでしょうか?
 スタートにばらつきが出がちな来月の女子王座なんかは、それこそ恐らく色んな展開のオンパレード。そんな展開の予想から、私たちを楽しませてくれること、間違いなしです。

 準優勝戦も波乱含みで終了。明日の優勝メンバーも、素直に考えれば考えられないこともありませんけど、ヒネリ始めたら果てしなく悩むことが出来る構成になりました。果たして、その最後の結末は、如何に!?

2010/02/02 (火) 地区選開催中の下関

 仕事は今日からでしたが、昨日から前乗りで下関に来ております。下関競艇場では、G1中国地区選手権が開催中。

 昨日はレースが終わるまで、特段これと言って指定されたやるべきことは何もなし。一般エリアの様子を見て回って、普段実況の仕事だったらあり得ない場内レストランでのランチタイムを楽しんだり、競技エリアで選手の皆さんにご挨拶と取材をしながら時を過ごしたり、日中まるまる時間があったわけですが、あっという間に過ぎていきました。

 何と言っても、注目されるのは今回から導入の新モーター。標準型から減音型、しかもいま各地で導入されている大型吸気サイレンサー(デカカバー)ではなく小さいカバーの従来型の減音モーターということで、このあと1ヶ月後に女子王座決定戦を控えると言う意味でも、選手の皆さんの反応を注意深く見守っております。

 今日時点での反応や、JLC解説・山本泰照さんのお話を総合すると…どうやら、そう特別なことはないみたいです(笑)。
 最初こそ、エンジン初下ろしの時に独特の対処に追われる選手もいたようですが、その後状況が落ち着いてきてからはそれこそ「エンジンなり」の舟足で、戦いが進んできているようです。

 地元選手に聞いてみたところ、徳山とそれほど変わらぬ対処でイケる、という証言もあり、ファンの立場とすれば減音になったこと自体は過剰に意識しなくて良いのかも知れません。それでなくても、今や減音モーターのレース場が殆どですし。

 ただ、モーターの性能差は減音だけに大きく出るんじゃないかという兆しはあるみたい。このあたりは、女子王座までのあと2節の一般戦の様子も、しっかりチェックしておきたいところです。
 いずれにしても、今回動いたモーターは、しっかり憶えておいた方がよさそうですね。

 その下関競艇場は、中国地区選手権の4日目。今日から3日間JLCの中継をお手伝いさせて頂いております。

 予選最後一日は、1戦終わるたびに悲喜こもごものピット内。本当にわずかな瞬間に賭ける選手の皆さんの思いが交錯している様子に触れるにつけ、楽しさもあり、またそんな思いの重さも感じながら、一日を過ごしました。

2010/02/01 (月) 絞り込みと繰り返し

 昨日までの続き。

 話として風呂敷が広がりすぎましたが、会場にゲームを見に来た子供たちが、「何とか楽しもう」としてくれている姿を見るにつけ、ああいう子供たちや、興味を持ってくれるかも知れない大人たちに、うまく伝える方法がないものなのかとの思いは、その都度強くなっております。

 そんな風に言いながら、私自身が何か良い方法を思いついているというわけでもありません。ただ今のまま同じことの繰り返しでは、なかなかすそ野は広がっていかないのではないかということ。ゲームを見たり話を聞いたりして、少しずつでもこのカーリングという競技に対して理解を深めて行くにつれ、そんな事に思いを巡らせているところです。

 基本的には、ゲームを伝える中で地道にその内容を「正しく」お伝えするということ。これに尽きると言うことは明らかです。
 しかし、全てをパーフェクトにというわけにはいかないのもこれまた事実。ならば、伝える「ポイント」を思い切って絞り込むこと。それを繰り返し刷り込むように伝えること。そういう内容と方法を考えるというのも一つの方法なんではないでしょうか。

 例えば、昨秋のパシフィック選手権で実況をお手伝いさせて頂いたとき、たまたまそういう試合展開になったからとはいえ「バックガード」というキーワードとその意味だけで、一日の試合の中で何度もゲームの妙を楽しむことが出来ました。そういう「ツボ」みたいなところは、整理できるような気がします。

 こんな風に、かるた風にいくつかワンポイントを作ってみるというのはいかがでしょう。

「駆け引きは、ガードの裏側『かくれんぼ』」
「ヒット戦なら低得点。ドロー戦なら石が貯まって得点チャンス」
「投げたあと、こすって運ぶ4人の力」
「石と石とがくっつけば、不動のポジション強固な形」
「バックガードは、波乱の予感」

 自分はプレイヤーとしての経験がないので、何だか上手に作れませんが…(苦笑)。ただ繰り返しやすいシンプルな言葉というのは、伝える力を一層強く持つものです。

 とにかく、これから始まるバンクーバーオリンピックは大事なイベント。あの「氷上のチェス」とかいう何を表すのかハッキリしないワードに始まる、従来の一連の説明方法に何か一石を投じる取り組みがなされ、また少しでもこの競技を楽しんでもらえる方が増えることを、心から祈ってやみません。

2010/01/31 (日) ここでも「プロセスを伝える」ことの重要性

 昨日の続き。

 テレビや文字メディアでカーリングを伝えるときに、必ず使う手順というものがあります。
 あの「円」のところにストーンがいくつか止まっている図を示して、これはどっちの得点で何点、みたいな、あの説明ですね。

 しかし結果としてみれば、あの説明では見ている側には何も残らず、次の機会にはまた一からやり直し。近づいてきたバンクーバーの中継や報道でも、また4年前と同じことの繰り返しで、恐らく前回以上のムーブメントを起こすことなく、大会は終わってしまうのでしょう。

 何故そうなるかという理由があると思います。
 その説明の仕方は例えて言えば、入口に入る前の人に、凄く奥行きのある扉の向こうの世界の、一番奥のものを見せて「あれです」と説明しているようなものだから、なのではないでしょうか。
 もっと近くに「こういう面白さとか、ああいう楽しさがあるよ」という話をし、それらを味わってもらい、出来れば記憶してもらうためには、何か発想の転換が必要なのではないかという気がしてなりません。

 ポイントは、「ゲームの勝ち負け」ではなく、「一つひとつのプレーの良さ」を理解してもらうということ。更に、ゲームの進行をイメージで理解出来るよう、キャッチィなワンポイントのワードで伝えていくこと。この二つだと思っています。

 今回の軽井沢で子供たちや「大人たち」の様子を見ていた限りでは、ガードの裏側にカールして、真後ろに隠れるようなプレーについては、素直に「凄い!」と理解していた模様。ならば、そういう目の前のプレーに対してそれがどうして出来て、どういう大変さがあって、どうして価値があるのかということをきちんと説けば、その場のゲームの一つひとつのプレーを楽しめるようになるはず。そこから「戦況」に発展し、そしてようやく最後に「どちらが内にあるから何点」の世界にたどり着くと。本来、そういう順番になるんじゃないでしょうか。

 ところが、そういうゲームの「プロセス」にあたる、プレーの意味とか価値とかを言葉で完璧に説明しようとすると、とても長くなります。ですので、そのうちのいくつかをかいつまんで、キャッチフレーズ的に打ち込んでいくという工夫は出来ないものでしょうか。

 具体的にどういうことか。またもや字数が尽きたので明日へ続きます。

2010/01/30 (土) 惜しいところまでは来ているはずだが…

 桐生で一日お手伝いをしておりましたが、この日記の話題は引き続き、軽井沢でのカーリングの話。

 大会が行われていた会場には今年も、地元の小学生が課業として、入れ替わりで大挙して観戦に来ておりました。
 来ている子供たちの多くはルールもわからず、とりあえず先生に言われるままに席に座って時を過ごす。時折周囲から拍手が出るとそれに合わせて手を叩き、中には課業でカーリング体験コースを受けた子供たちもいて、雰囲気にも少し慣れている様子で声援を送っていました。

 ゲームのどこがどうということはわかっていないはずですし、来ている子供たちの半分でも興味を持ってその時間を過ごしていればいい方だと思うのですが、それでも様子を見ていると、こうした機会を少しでも作っていくことは結構大事なことだと感じます。例えば、小学校高学年になってからでも、毎年来れば生で味わう機会が3回ある。軽井沢でまた別に大きな大会があるときなどに、こうした観戦の経験を思い出してくれれば、生のゲームを見て感じたものが必ず生きてくるのではないかと思います。
 興味がより深まって、自分がプレーしてみようという子供が増えれば、更に良いですしね。

 子供たちを引率して来られた先生方と、色々と話をさせて頂く機会もありました。

 先生方も、ゲームの流れやルールを理解していない方が殆ど。ですから、子供たちに観戦中に「質問」されたり「アドバイス」を求められても、困惑するだけで少々気の毒な様子でした。

 あるとき、ある先生からゲームを見ながらこんな質問を受けました。

「今の、円の手前で止まってしまったんですけど、あれでいいんですか?」

 プレーは、ゲームの最初の一投。センターガードが、ライン上のベストポジションにピタリ。わかる人なら「ナイスショット」と拍手が出るところですが、ゲームを見慣れない方には疑問に思えるのも、無理もないところです。

 この例に示されるように、恐らく多くの人が、カーリングをいうのは、石を投げて相手の石にぶつけるゲームだと感じ、円の中に石を入れることが大事なことだと理解しているのではないでしょうか。
 何故そうなってしまっているかと言えば、やはり今行われている一般的な伝え方に、少々足りないところがあるからなんでしょう。

 …と、ここで字数が尽きたので、明日の稿に続きます。

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